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ビールの起源 ビールは、紀元前四千年メソポタミア文明の頃に偶然できた飲み物です。 大麦を混ぜた何かに水分が入り、それをほったらかしにしていた液体がビールの起源と言われています。数百年後、その飲み物はビールとなり、自宅で女性が造り、好んで飲まれるようになりました。 バビロン王朝のハムラビ法典には、世界最古のビールに対する法律も記されています。「もし神に仕える女がビールを飲みに店に行ったら処刑される」など、どう言う訳か女性に対する法律が多いようです。 紀元前三千年頃のエジプトでは、ビールは薬としても使われ、胃薬として、また手や足などの打撲にはビールを湿布薬にも使われていました。 紀元前500年頃にはギリシャでもビールの造り方をエジプト人から学び、飲まれるようになりました。 紀元前数世紀にはすでにドイツの一部でビールが飲まれていたようですが、そこに辿り着くまでには様々な飲み物が存在します。 ローマの詩人ウェリギリウスは「ドナウ川流域の民族は、寒い冬に洞窟の中でたき火をしながらビールを飲んでいる」。と、ドイツ人がビールを飲んでいる様子を記してますが、この洞窟こそが、ビールの熟成や保存に最も適し、現在でも南ドイツなどで 見られる「フェルゼンケラー」なのです。同じローマ時代の歴史家であるタキトウスは「彼らゲルマニア人は原始的な蛮族で、戦いを好み、ビールを暴飲しているが、反面女性には優しく接している。ゲルマニア人ほど酒宴と歓待に献身的な民族は他にはいない。いかなる人間であれ、家の主人は最上のご馳走で客をもてなす。家に食べ物がない場合は、隣の家まで押し掛けて行くが、隣の主人も喜んで客を迎え入れる。接待を受けたからといって、同じように返礼をする必要はまったくない」。このような宴席の風習はペルシャでも同じように行われていたようです。 ドイツ人がいかにビール好きであったかを記録した文献がここにあります。 16世紀にドイツの詩人ハンスザックスによって書かれた詩です。「12人の英雄によって6時間で95リットル以上あるビヤ樽を飲み干した」。貴族の屋敷ではビールをなみなみと注いだジョッキを、一息に飲み干す訓練がなされてました。いろいろな儀式にはなくてはならないビール、貴族は儀式をはしごする事も多く、よっぱらっては恥になる事から、このような訓練がされました。 ドイツでは酔っ払いをあまり見ません、アルコールに対する強靭な体が歴史と共に作られていったからかも知れません。 ドイツにはこのような言葉もあります。 「Bier auf Wein lass es sein! Wein auf Bier das rat ich dir!」 「ビールの後のワイン そのままつづけてどうぞ! ワインの後のビール それはおよしなさい!」 悪酔いをしないよう気をつけましょう! 東西南北ビールの酔い ドイツの旅の楽しさのひとつは各町々、村々で異なったビールに出会う事でしょう。6000種もあると言われるビールの国、ビール好きの人間にはたまらない喜びです。特に好みのビールに出会ったときの感激は旅の醍醐味をより大きくしてくれます。そんな出会いを求めてビール紀行を楽しんでください。 南部 Bayern バイエルン州(南ドイツ) ロマンティック街道の出発点ヴュルツブルグから東へ80キロほど行ったところに世界文化遺産に指定された町バンベルグがあります。世界中を探してもこれほど変った面白い独特のビールにはめったにお目にかかれません。その名は薫製ビールでです。まさに薫製された味のビール。これは一度味わってみないことには語れません。 (2001年の春より当店にて味わうことができます。バンベルグの町から初めて外遊したビールです。) バンベルグから北へ40キロ行ったところコーブルグには石のビールSteinbierがあります。上面発酵と下面発酵で造られ1200度に熱した石を入れることによりビールにキャラメルのような甘味をもたらせてくれます。 ワーグナーの音楽祭で有名なバイロイトにはマイセルス醸造所があり現在ではビール博物館としてバイロイト醸造所内にあります。ここではヨーロッパでも数少ないAktien Dryアクチェン ドライと言う辛口でホップが強く炭酸の良く利いたビールを造ってます。 バイロイトの郊外クルムバッハにはクルミナトールと呼ばれる13,2度、赤ワインと同じぐらいの高いアルコール度のビールがあります。 ニュルンベルグには アルブレヒト デュラービアAlbrecht Durerbier 15世紀に活躍したデュラー画家のビールが存在し、彼の生家がビア酒場になっておりそこで数種類のビールが飲めます。デュラーと語り合いながら飲むビールも味なものです。 南西部Baden-Wuerttemberg バーデンーヴュルテンベルグ州 (バーデンバーデン) 1992年には192のビール醸造所が存在しています。この地域にはあまり規模の大きい醸造所はなく、ファミリー経営で小さく営んでいるところが多く地元にしか知られていないビールがほとんどです。この地域のビールは全体的にピルスタイプでしっかりとした重い味が特徴です。 中部Nordrhein-Westfalen ノードラインーウエストファーレン州 (ケルン・デュッセルドルフ) この地域は上面発酵で造られたビールが殆んどで、初めて味わう味個性豊かなビールも多く存在します。ドイツ最大の大聖堂で有名な町ケルン。ここには町の名が付いた淡色ビール[ケルッシュ]があります。ケルンから40キロ離れた隣町、デュッセルドルフにあるアルトビールに魅せられてケルンでも、と考えられたケルン人自慢のビールです。現在20ほどの醸造所がケルッシュを造っているので20種のケルッシュを味わうことが出来ます。 デュッセルドルフは世界で一番長いバーカウンターのある町として住民はよく自慢してます。そしてアルトビールのある町として有名な町です。酸の強い独特の個性ある濃いあめ色のビールです。百数十年前にアルトビールが造られそれを飲むのが流行になり、現在に至りますが飲みだすとくせになるビールでもあります。ディーベルス、ハンネン、シュロッサー、ガッツワイラー等の大醸造所が70年ほど前からアルトを造ってます。これを飲むにはアルトシュタット(旧市街)へ行くとドイツ人のビール好きが良くわかります。 北部のビール 北ドイツには余り多くのビールは存在しません。醸造所も少なく、大きな醸造所が大量にビールを生産しています。またビール王国バイエルンの一人234リットルの年間消費量に比べ、北部では83リットルしか飲まれてません。その代わりに彼らはKornコーンと言われるライ麦などの穀物で造られた蒸留酒を飲んでいるからです。またラム酒やArrakアラック(米から造られる蒸留酒)もドイツ国内では一番飲まれている地域でもあります。 この地域はビールよりもっと強いアルコールを欲する人々が多いということになります。 ハンブルグ周辺に500ほどの醸造所があった時代もありましたが、だんだんとビールの消費も減り醸造所も少なくなりました。 北部ハンザ都市で生まれたビールとして二つのすばらしいビールが挙げられます。一つは北海沿岸周辺のフリーズランド地方のピルスタイプ、イェバービール、も一つつがフレンスブルガー ピゥスナービアと言われてます。ハーノーバーとゲッティンゲンの中間地点にあるアインベックの町から生まれたボックビールは中世に考案され大麦と小麦を使った強いこくのあるビールとして知られています。 日本でも良く知られたベックスやホルステンビールも北のビールです。 東部のビール 首都ベルリンにはカクテルビール、ベルリナーワイゼが最も有名。 ザクセン地方ではドレスデン郊外のラーデベルグで造られるラーデベルガーピルツ。 チェコ、ピルゼンのビールがドイツで最初に造られた町として有名です。このビールはやや重めで量を飲むにはややきついような気がします。 ケストリツのシュワルツ黒ビールはゲーテが好んだビールとして有名です。この醸造所はドイツ統一と共に閉鎖寸前までに追い込まれましたが、西ドイツのビール会社が買い取り息を吹き返しました。 新刊「ビールの国の贈り物」により詳しく掲載しております。是非ご覧下さい。 |
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